根拠はない

マイティースイズデリシャス

映画「窮鼠はチーズの夢をみる」の感想

公開間もないこと、ツイッターにポストするにはボリュームが大きくなってしまいそうなことから忘備録的にこちらへ感想を投稿します。かといって考察ができるわけでもないので、単に感じたことをつらつらと書くだけでたいして面白いものではありません。

ネタバレになるのかわたしには分からないので、気にされる方は読まないほうがよいかと思います。

 

まず観賞直後一番に思ったのは、大横綱今ヶ瀬の一人相撲がすごいということ。一人で壁に向かって右往左往、その壁さえ途中からもはや存在していなかったのに。

それまでの恭一の行いを知っているからこその取組だったのかもしれませんが、いざ結ばれたところで相手を信じきることができず自身の7年間の思いに囚われ一人でのたうちまわる。

 

恭一は見方によっては確かにクズなのかもしれませんが、単に信じられないくらい優しくて共感力が高い人のようにも思うのです。

あらゆる人のすべての行動には下心があり、それが一番の目的となるのと、副次的にもしきっかけがあればと期待するのとの違いがあるだけだと思っています。求めてくれる人がいることはありがたいことですね。目の前の人が自分を求めてくれるなら求められているものを提供したい。もちろんその中に自分の生理的欲求の解消が含まれることもあるでしょう。

恭一は自分の欲求よりも、相手が求めているものを察知し提供することを優先させている。それが結果として流され侍になっているので、確かに優先順位を考え取捨選択をしていく必要はありますね。

それでも人の少しの下心も許さないほどえらい人間にはなれないわたしは、恭一に少し共感してしまうのです。

 

たしかにこの映画はその人の考え方を浮き彫りにしますね。映画を観ながらおしゃべりがしたくてたまらなかったです。コメンタリー付きの円盤が発売されることを期待します。